定年は63歳だった
夫は私に嘘をついていました。
60歳で転職したかったため、雇用延長はあるけど定年は60歳なのだと。
60歳を過ぎると、再雇用となるから給料がガクッと減るし、転職したほうがいいんだ、と言っていた。
ところが、転職の話が延期になった今、このままの会社で60歳の定年を迎えるわけですが、
もうじき定年だから、年金の事とかいろいろと調べなくちゃいけないね、という話をしていたら、
いろいろ調べたりするにはするんだけれども、実は、定年は63歳なのだと言うのです。
はぁ?と心の中で思いました。
夫はこれまでにも、節目節目に私を説得するために嘘を言っていたので、
(どうせ後になってバレるんですが)
またか、と思ったのです。
自分の都合の良いように、妻が反対しないような嘘をついてきた。
結果、失敗も多かったです。
仕事やお金の事など、私は何度も懲りずに騙されてきた。
はじめのうちは喧嘩しましたけど、繰り返していたら、もう無抵抗になってしまいました。
あきらめ、放置、無抵抗、やる気をなくす・・・・・。
なんだか、この世の悪政と国民の関係のような気がします。
私自身は夫に対して、頑張って欲しい気持ちと、自業自得でしょ、という気持ちがあり、
大変複雑なのです。なにかあるたびに、いろんなことを思い出してしまう。
真面目そうな顔をした嘘つきでもある男、ということが、
当時、結婚に反対した母や姉は見抜いていたのだろうか、なんて昔の事を思い出します。
しかし、自分が選んだ男なのだから責任を取らなきゃならない。
家族となった以上は、嫌なところが見えてしまっても応援しなきゃならない。
くじけたり、悔やんだりして、過ぎた30年です。
いい加減、嘘はもうやめてもらいたいと思っているのです。